私(大澤)が弁護士になったとき、さる高名な弁護士の事務所に入りました。
その先生から《大澤君、今度、白浜のマンションに泊まりに行こうか》と誘われ、4~5回ほど、連れて行ってもらったことがあります。
駅からタクシーでそのマンションについたとき、その都度、玄関には支配人が待っており《S先生、いつもありがとうございます》と深々とお辞儀していたのを憶えています。
あの時の先生のものすごく満足そうな顔をしていました。
マンションと言っても、毎回、泊まる部屋が違いましたので、リゾート会員制のマンションだったのでしょう。
それが、今は、会員の方の重荷になっているのはなぜでしょうか?
《海辺のお城のような建物がリゾートマンションだった》
私(大澤)が弁護士になったのは昭和50年ですが、その当時、和風の旅館はあっても、ホテルの数は多くありませんでした。
詳しい場所は忘れましたが、弁護士になったころ日本海に行ったとき、海辺に面してお城のような白い建物が目に入りました。
《あんなところに泊まりたいなぁ》と思ったので、後で調べるとそこはリゾートマンションでした。
《有名観光地に続々と新しいホテルが建築されてきた》
ところが、日本が豊かになるにつれ、有名観光地には立派なホテルが続々と新築されていき」ました。
同じホテルより、各地のいろんなホテルに泊まる方がおもしろいという人も出てきます。
毎年同じところに行きたい人もおれば、違ったところを訪ねたいという人もいます。
私などは、毎年異なったところに行きたいタイプです。
《経営環境の違いがサービスに影響》
リゾートホテルは毎年、会員から数万円の会費を納めてもらい、固定資産税も負担してもらいますので、宿泊が少なくても収入があり、経費も少なくて経営ができます。
サービスが悪くても、安定した収入があると、必然的(?)にサービスの質が低下します。一方で、通常のホテルは、宿泊客が来ない限り、1円の収入もないため、必死になって顧客を満足させる経営努力をしていかざるをえません。
心血を注いで経営努力をし、サービスの質を高めていきます。
他のホテルを利用した会員が、リゾートホテルのサービスに不満を抱くこともあったかもしれません。
《経営安定のために一般客の受け入れをすると・・》
このような状況の中で、会員がリゾートホテルを利用せず、また会費を滞納する人も増えると。リゾートホテルとしては会員だけの宿泊では経営ができず、一般(非会員)のお客さんも泊めるようになります。
ここまでくると、会員だからという優遇されることも少なくなり、会員の満足感が減る⇒会員のホテル利用が少なくなるという悪循環に陥ります。
一時は、ステータスシンボルともなっていた《リゾート会員権》はこのような経過をたどって、会員の方のお荷物になっていったのです。
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